日本人初の兼任指揮官、サッカー日本代表の森保一監督(50)が今日11日、初陣コスタリカ戦(パナS)を迎える。7日チリ戦(札幌ド)の地震中止に伴い、初めての公式会見を10日に大阪・吹田市内で実施。目指す「22」年ワールドカップ(W杯)カタール大会への船出を前に「22」の要望を選手に出した。先発11人の国際Aマッチ出場数の合計が、Jリーグ発足以降の代表監督の就任初戦で最少になることも確定。台風、地震に襲われた大阪と北海道のため、若き森保ジャパンが第1歩を踏む。

北海道胆振東部地震で先送りになっていた、森保監督の初の公式会見は異例の形で始まった。「台風21号、地震で犠牲になられた大阪、北海道の方々のご冥福をお祈りします。暮らしが1日も早く元に戻ることをお祈りします」。以上。おそらく初めてだろう、冒頭あいさつで翌日の抱負が語られなかったのは。心からのお悔やみに実直さが込められた。

続く質疑応答から試合に触れた。「まず1試合やって、その成果と課題を2戦目につなげられればチーム作りができたけど、1試合しかなくなった。時間を無駄にすることなく、すべてをぶつけたい」。目標を問われると「勝負にこだわります」と力強く宣言した。

世代交代の号砲が鳴るコスタリカ戦は、最も経験の浅いイレブンとの旅立ちになる。先発が予想される11人の国際Aマッチ出場数を足すと計81試合。Jリーグ創設以降の代表監督が、就任初戦に送り出したスタメン11人の通算試合数で史上最少になる。最多は、W杯ロシア大会に出場した西野監督の初陣ガーナ戦で計616試合。大きく下回り、114試合で代表引退した長谷部1人にも及ばない。新時代を象徴する陣容になった。Aマッチ初出場のMF堂安、2試合のMF南野やMF中島の先発が濃厚。これから森保監督が色をつけやすい編成とも言える。

そのチルドレンへ、指揮官は会見の壇上で次々と要求した。「日本人らしく」「ベースはボールの奪い合い」「攻撃的に」-。その数、実に「22」。目指す「22」年W杯カタール大会を意識したわけではないだろうが、杉本離脱でメンバーが「22」人になったことを意識したわけではないだろうが、初会見で偶然にも同数の要求を口にしていた。

試合には、チリ戦代わりの7日紅白戦で試した4-4-2陣形で入り、途中から変更するとみられる。16強入りしたW杯の4-2-3-1、代名詞の3バックに移行すれば「臨機応変」「対応力」の評価材料に。「より多くの選手を見る」ため交代6枠もフル活用する方針だ。「思い切ってプレーしてほしい。日本人が持つ技術、規律をお見せできたら」。森保監督の22の要求に1つでも多く応えられた選手が、10月以降も代表に生き残る。【木下淳】