まさにスターの立ち振る舞いだった。日本(FIFAランキング15位)がインドネシア(123位)に6-0。中心に10番、キャプテンのMF久保建英(24=Rソシエダード)が君臨した。チーム主将のMF遠藤航(32=リバプール)もピッチに立った中、ゲーム主将マークを託された最終の第10戦。24歳初ゴールとなった1得点に2アシストで試合MVPに輝き、最高の形で今日11日のW杯北中米大会開幕1年前を迎えた。チームは最終予選を7勝2分け1敗。史上最多の勝ち点23に、最多の30得点と最少の3失点で駆け抜けた。

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W杯本番まで、あと1年-。最終予選の締めくくりではなく、本大会への旅路の幕開けを久保が彩った。1-0の前半19分、自身から始めた、デザインされた左CKからゴール前に進入し、右足で蹴り込んだ。両膝スライディングで喜び、祝福された「王様」は、ベンチの前にも足を運んで森保監督とハイタッチした。

「10番を背負った試合で結果を残すことができて、すごくホッとしている。良かった。家に帰って、写真を見返そうかな」

字面だけで、ワクワクした。メンバー表の「KUBO」にキャプテンを表す(C)が添えられた。これまで10番のMF堂安が不在で今シリーズは久保が担う。主将マークも左腕に巻いた姿は、まさにキングだ。試合前日に遠藤と相談した森保監督から、当日の昼に「任せてもいい?」と打診された。「いい意味で動揺した」と言いつつ、圧倒的なパフォーマンスで次代の若手たちの指標に。「まずは信頼に応えたいな、と、これ負けたらヤバいな」の重圧も、難なく力に変えた。

期待に応えて世界的スターへ。既に突破し、大半の主力が疲労への配慮で免除された中、久保は新顔たちの旗頭として招集。「もう4年くらい巻くことないと思うので、ひとまず思い出としてしまっておこうかな」と笑わせたが「(歴が)長くなれば、おのずと僕が巻くことになると思う」と未来の主将就任を約束。3点目と5点目のアシストも記録し、第2次森保政権で通算6得点に最多の14アシスト。攻撃の核になった。

4日に1つ年を重ねて24歳になった。存在感は日に日に増す。メッシ、ネイマール、モドリッチに、ペレからジダンまで、代表で主将マークを巻く10番を連想させる躍動だ。2度目の大舞台まで、あと1年。「楽な相手なんていないけど、そこに対しても今日みたいに違いを見せるプレーをし続けていくことで、W杯でも日本を助けられるのかな」。森保監督が常々、口にしている「世界的スターの出現」が、夢の「W杯優勝」には不可欠だ。あと365日で、久保が世界の王様に成り上がる。【佐藤成】