名古屋の小倉隆史監督(42)が久々の勝利を喜んだ。公式戦6戦勝ちなし(1分け5敗)で、勝利は3月19日の第4節仙台戦(パロ瑞穂)以来となった。

 試合終了のホイッスルを聞くと疲れた表情を見せ、会見では一言目に「いやあ~疲れました」。少し間をおいて「チーム状況に流れがあって、簡単にいかない状況だった」と息を吐き出した。

 集中力が途切れなかった。前半にFWシモビッチのゴールで先制し、後半16分にはMF永井が追加点。しかし、その3分後に新潟FW端山のシュートを決められた。先制しながら1点差に迫られる、未勝利期間に散見した展開に陥りかけた。だが試合終了間際に、右肘関節亜脱臼のGK楢崎に代わり先発したGK武田がファインセーブを連発。なんとかリードを守りきり、小倉監督は「終わった直後は『武田さまさま』と思いました」と称賛した。試合後、取材を受ける武田の後ろを通る際には「めっちゃ、よお(たくさん)書いたって」と笑顔を見せた。

 勝ち点を2桁の10に乗せ、次戦は29日にアウェーでの浦和戦。勝利の立役者となった武田は、真っ赤に染まる敵地を思い浮かべて「まずはそういう環境でできる喜びがある。そう感じるぐらいで、後はそこまで気にしていません」と素直な心境を語った。