J2札幌は京都に0-0で引き分けた。西京極での9年ぶり白星は奪えなかったが、リオデジャネイロ五輪から戻り、7戦ぶりに出場したGKク・ソンユン(22)がチームとして5試合ぶり無失点に貢献。敵地で貴重な勝ち点1奪取につなげた。29戦19勝6分け4敗の勝ち点63で首位をキープ。2位松本も山口と引き分け、勝ち点差は6のままで、3位C大阪とは9差となった。

 リオ五輪で成長した25番が体を張ったプレーでゴールを死守した。後半36分、京都FWエスクデロのスルーパスからピンチを招くも、クは迷わず前に飛び出し阻止した。「パスを出される前に予測できていたので問題なかった」。あわや失点の場面も、大舞台を踏んだ22歳は平然としていた。

 この日朝、五輪サッカー決勝、ブラジル-ドイツが行われていた。「あの舞台に自分が立てていたら。悔しい」とは言うものの、京都戦に集中するためテレビ観戦はしなかった。18日のチーム合流から4日目と早々のリーグ戦復帰だったが、五輪から頭を切り替え「緊張はなかったし、みんなと力を合わせてやれた」と手応えを口にした。

 29戦目にして今季最高の30・0度。酷暑のアウェーはお互い消耗戦だった。2位松本も引き分けたため、敵地での勝ち点1は意義あるものになった。四方田監督も「個人、グループや、ソンユンを含め守備が無失点に抑えてくれたことは大きかった」と評価。勝利はお預けも、27日ぶりの無失点を中3日で臨む熊本戦への糧にする。【永野高輔】