岩手県勢初の快挙(天皇杯3勝)を逃した。盛岡(J3)がホンダFC(JFL=静岡)と対戦し、1-2で敗れた。前半、出足素早く果敢にボールを回す相手に後手に回り、先制点を献上。しかし後半に入ると、得意の縦カウンターを繰り出すなどで流れを引き寄せ、同14分にPKを獲得。これをFW梅内和磨(25)がきっちり決め、勝利も見えてきた時だった。

 PK獲得時にMF垣根拓也(24)が相手GKへの乱暴行為で1発退場。その直後にMF牛ノ浜拓(24)が2枚目の警告を受けてしまった。残る9人は体を張った守備でゴールを死守したが、ロスタイムに勝ち越しを許し、力尽きた。2回戦でJ1仙台を倒し、「ジャイアントキリング」を演じたが、今度は逆に金星を与えてしまった。

 垣根は「僕の責任。申し訳なくて胸が痛い」と悔やんだが、神川明彦監督(50)は前を見る。「すべてが学び。経験をリーグ戦と国体へ生かしたい」と次なる戦いへ目を向けた。【成田光季】