高知でキャンプ中の新潟は今日12日、J2愛媛、J3富山と春野総合運動公園で練習試合を行う。DF矢野貴章(32)は体調不良で7日から離脱していたが、11日の練習から完全復帰。三浦文丈監督(46)は練習試合での起用を予定している。

 「大丈夫です」。その言葉の通り、DF矢野は練習試合前日のチーム練習を淡々とこなした。6対6でのパス回しに、セットプレーの確認。全体練習後にはDF陣の居残り練習に加わり、FKの対応を繰り返した。試合前のため強い負荷はかかっていない内容だが、居残りメニューを含めた約1時間30分間、フルに体を動かした。

 高知大との練習試合(5日)の後に体調不良を訴え、7日は練習を休んで完全休養。8日から筋トレなど別メニューになっていた。「離脱していたといっても4日間ですから」と、体力面、ボール感覚と不安は感じていない。

 愛媛、富山との練習試合も、三浦監督は「45分くらい出したい。ケガをしたわけじゃないから」と起用する方針だ。

 矢野は13年に新潟から名古屋に移籍、今季5年ぶりに復帰した。高知キャンプの参加も12年以来。「懐かしいですよね」と、あらためて新潟の一員に戻ったことを実感していた。

 キャンプ中に体調を崩して離脱した経験は今までなかった。「大事な時期に抜けてしまったので、しっかり取り戻さなければ」。期待されるのは名古屋で経験した右サイドバック。走力を生かした豪快なアップダウンとクロスは、攻撃のスイッチとして期待される。練習試合では「ミスをしないこと」と丁寧にプレーすることを心がける。

 同ポジションにはDF川口尚紀(22)らライバルもいる。「競争は当然ある。まだまだプレーの精度を上げていかなければならないし、求められていることをやるだけ」。開幕スタメンをターゲットにスパートをかける。【斎藤慎一郎】

 ◆矢野貴章(やの・きしょう)1984年(昭59)4月5日生まれ、静岡県出身。浜名高から03年に柏に入団。06年に新潟に移籍。10年に日本代表入りして南アフリカW杯に出場。同年、フライブルク(ドイツ)に移籍し、12年に新潟に復帰。13年に名古屋に移籍した。国際Aマッチ19試合出場2得点。ポジションはDF。187センチ、78キロ。背番号19。