浦和レッズが2大会連続の白星発進を決めた。アウェーでウェスタンシドニーに4-0で完勝。FW興梠慎三(30)、李忠成(31)らが後半に立て続けに得点し、富士ゼロックス・スーパー杯から中2日の過密日程をものともしなかった。ペトロビッチ監督が掲げる4冠達成と10年ぶりのアジア制覇へ、最高のスタートを切った。

 興梠と李が息の合ったプレーで勝利を引き寄せた。先制点は興梠。後半11分、ペナルティーエリア前で李からのスルーパスに走り込んだ。絶妙なトラップで狭いエリアを抜け出し、右足でシュート。ACLでの日本人最多を更新する大会通算15得点とした。

 その2分後、今度は興梠のアシストで李が決めた。敵陣内でMF青木からパスを受けた興梠がダイレクトで緩い浮き球をゴール前へ。走り込んだ李が体を回転させながら左足ダイレクトでボレー、ゴール右へ蹴りこんだ。23分にはDF槙野、41分にはFWラファエル・シルバも得点し、試合を決定づけた。興梠は先制点について「GKを見て冷静に蹴れた。DFが頑張ってくれていて先制したかったので」と胸を張った。

 昨季そろってリーグ2ケタ得点を挙げたFW武藤を含む「KLM」トリオが、今季初めて先発でそろい踏み。後半途中でお役御免となった武藤も、惜しいシュートを放つなど見せ場を作った。代わりといわんばかりに槙野が今季初得点を挙げ、“KLM弾”を達成。ペトロビッチ監督は「全体を見れば、我々が勝利に値するゲームをした」と満足げに振り返った。

 ACLでの4得点は13年3月のムアントン戦(4○1)以来2度目。さらにこの日は無失点と完璧な内容だった。リーグ戦、ルヴァン杯、天皇杯の国内3大タイトルとACLの4冠奪取を目標に掲げる今季。豪快な4発で、激戦区F組を勝ち抜く実力を証明した。

 ◆KLM 浦和のFW興梠、李、武藤の頭文字。昨季、そろって2ケタ得点を挙げるなど活躍したことで、3人をまとめて呼ぶ際の愛称になった。もともとKLMはオランダ航空のオランダ語での略字。