京都サンガFCの元日本代表DF田中マルクス闘莉王(35)が、ハットトリックで6試合ぶり勝利へ導いた。ホーム愛媛FC戦で後半7分に頭、同27分右足、同ロスタイムに左足で決勝点を奪い3-2の勝利に貢献。本職センターバックではなくFWとしてフル出場し今季4試合4得点、通算3度目のハットトリックとなった。

 劇的な幕切れだった。後半46分に同点とされ、わずか1分後。京都DF闘莉王が、ゴール前でベルギー人FWオリスの高速クロスを左足で合わせた。1点目は0-1から、2点目は一時勝ち越しとなるゴール。3点目は、最近5試合で1分け4敗だったチームの不調の波を断ち切る値千金弾。初めて試合を観戦した7カ月の愛娘の前で、通算3度目のハットトリック。頼れるパパは「3点目は神様がおまけにくれたもの」とほほ笑んだ。

 右足負傷で戦列を離れていたが、2トップの一角で4試合ぶりに出場。185センチの長身を生かして、192センチのオリスとコンビを組んだ。「前で怖さを与えないと、と思っていた」。就任1年目の布部監督は「2トップの高さが欲しかった。闘莉王はいるだけで相手も嫌だと思う」。

 これでJ3自動降格圏だった21位から暫定18位に浮上、ようやく今季2勝目を挙げた。「まだまだ未熟なチーム」と厳しいベテランが、8年ぶりのJ1復帰を目指す京都の先頭に立つ。【小杉舞】

 ▼ハットトリック 京都DF闘莉王が15日の愛媛戦で達成。J2では自身初、J1での2度を含めると通算3度目。J2通算126度目。35歳11カ月22日でのハットトリックはJ2最年長記録で、大宮FW播戸の35歳11カ月16日を更新(J1記録は鹿島MFジーコで40歳2カ月13日)。これでJ2リーグ戦通算14得点目。J1リーグ戦の75得点、ルヴァン杯の13得点を合わせてJリーグ公式戦通算得点は102点目。DF登録では初の100得点突破。