ガンバ大阪は7日、13年から指揮を執る長谷川健太監督(51)が今季限りで退任すると発表した。就任5年目の今季で契約終了とし、来季は更新しない。手腕を高く評価し、8月中には来季の続投を要請していたが、山内隆司社長はこの日、クラブを通じて「新たなステージに向けてステップを踏み出す時と考え、熟考の上、長谷川監督からの卒業はこのタイミングだと判断した」などと説明した。

 長谷川監督は就任1年目でJ2優勝に導いた。翌14年にはJ1、ナビスコ杯(現ルヴァン杯)、天皇杯を制し、日本人監督初となる「国内3冠」を獲得した。15年はJ1で年間勝ち点3位でCSに進出し、決勝で広島に敗れて2位に終わったが、ACLは4強、天皇杯は連覇。昨季はJ1年間4位、ルヴァン杯準優勝。今季はJ1で7位と苦戦しているが、ルヴァン杯では4年連続の4強と「西の横綱」の地位を固めた。その功績は計り知れない。

 J1通算勝利数は、清水時代を含めて歴代4位の154勝。日本人では西野朗監督(日本協会技術委員長)の270勝に次ぐ。清水では岡崎(レスター)、G大阪では21歳の井手口や19歳の堂安(フローニンゲン)らを育てるなど若手育成の実績もある。今後の活躍の舞台はJクラブだけにとどまらず、さまざまな選択肢がありそうだ。

 G大阪はこれから後任探しに着手する。将来的にはOBでJ3のG大阪U-23の宮本恒靖監督(40)に託す方針だが、長谷川監督の後任として昇格することはないとみられる。