セレッソ大阪の新10番、MF清武弘嗣(28)が貴重な追加点を決めた。1-0の後半3分、空中戦に競り勝ったFW杉本が頭で流したボールに反応し、頭で前に運ぶ。この動きでDF田坂をかわしてペナルティーエリアに持ち込むと、GK手前で柔らかく右足で浮かし、ネットを揺らした。

 「いい流れでゴールできた。10番になって初めての公式戦でしたし、いいスタートが切れたと思う」と充実した表情で話した。

 サイドから攻撃を活性化した中で「今日、一番良かったのは(柿谷)曜一朗と(杉本)健勇」と2トップを称賛。「あれだけ守備してくれたことに感謝したいし、今日のサッカーがベースになってくれば」と今季初戦で手応えをつかんだ。

 チームの主軸としてMF山口の1点目も評価。右サイドからMF山村が中央へパスし、FW杉本が相手を引きつけて落としたところに、走り込んだ山口がペナルティーエリア手前から右足を振り抜いたゴール。鮮やかな攻撃の形に「左から右で最後(山口)蛍が決めるという、正直、理想的なゴールだった。ああいうシーンが今年はたくさん増えればいいなと思います」と納得した。

 また、後半15分すぎに杉本に背後から衝突され、担架で運び出されるアクシデントもあった。同19分にFW高木と交代で退き、場内も静まり返ったが、腰や首を手で押さえながらも歩いてベンチへ。「(杉本)健勇がすごい勢いで回り込んできたので単純にパスを出しましたけど、なぜか(後ろから)ぶつかられて。首を持っていかれた。でも、大丈夫です」と大事には至らなかったと強調した。

 W杯ロシア大会へ日本代表復帰も目指す中、好調を維持して14日のACLの1次リーグ初戦アウェー済州ユナイテッド戦へ向かう。「今日は60分(の出場=実際は64分間)だったので疲れていないし、自分自身、いつも通りやれていた。ただ、これから過密日程になってくるので。しっかりケアして、チームとしても今日のベースを崩さずに上げていければ」とシーズンにかける思いを口にした。