ジュビロ磐田は、アウェーでV・ファーレン長崎に0-0で引き分けた。シュートは相手3倍の12本だったが、ゴールが遠かった。守備陣は6試合ぶりに無失点と奮闘し、勝ち点1をもたらした。前日にJ1残留を争う鳥栖が勝ち、J2自動降格圏の17位に後退していた順位は、15位に再浮上。30日、雨天延期になった第28節のホーム湘南戦で必勝を期す。

磐田のゴールを信じて注がれていた声援が、ため息に変わった。後半ロスタイム。DFエレン(27)のFKがゴールラインを通過し、試合終了の笛が鳴った。FW川又堅碁(29)はしゃがみ込み、FW大久保嘉人(36)は、表情で悔しさをあらわにした。ゲーム主将のDF大井健太郎(34)も「勝ち点3を取りたかった」。逃した6戦ぶり勝利の重さを受け止めた。

名波浩監督(45)は、5失点を喫した前節清水戦の3バックから4バックに変えて試合に入った。結果は無失点で、「セカンドボールの予測、前線からの連動は合格点を与えられる」。出足で相手を上回り、前線からの守備も改善した。

高い位置でボールを奪った後、幾度とチャンスを作ったが、ゴールは奪えなかった。後半10分、MF松浦拓弥(29)がMF田口泰士(27)とのパス交換で抜け出すも、川又へのラストパスが合わなかった。好位置でのFKもあったが、壁にはね返され続けた。

それでも、敵地で勝ち点1を獲得。MF山田大記(29)は「この(勝ち点)1を自分たちで意味のあるものにしていかなければいけない」と言った。名波監督も「失った(勝ち点)2を挽回するためにも、残り5試合に全精力を注いでいきたい」と言葉に力を込めた。J1残留にわずかに見えた光…。通算勝ち点34で15位だが、未消化のホーム湘南戦に勝てば、それはさらに輝きを増す。【前田和哉】