J2モンテディオ山形が上昇気流に乗ってきた。前半9分にMF柳貴博(22)の加入後初ゴールで先制し、後半39分にはMF井出遥也(25)の2戦連発でFC岐阜を撃破。守備陣はJ2史上2度目の相手シュートを0本に「完封」。台風19号の影響で1日遅れでの試合となったが、ホーム3試合ぶり勝利で暫定2位に浮上した。

背番号10が試合を決めた。MF中村のパスを左サイドで受けた井出は、ペナルティーエリア外からカットイン。DF1人をかわしてゴール左に沈めた。「自分の形で特長が出たシーン。落ち着いて流せたのが良かった」。前節6日のアウェー千葉戦で山形初ゴール。「より自信を持ってプレーした結果がゴールにつながった。メンタル的に落ち着いて試合に入れた」と初弾効果を語った。

後半30分に「2点目を奪う」「試合を落ち着かせる」の指示を受け投入された。直後に「慎重になった」と追加点を奪えなかったが、2度目はきっちり決めた。チームが昇格を争う中、結果を残せず悔しい思いをしてきた。「決めきれず、パスが結果につながらなかったり、殻を破らないといけなかった。一番大事な時期に勝利に貢献できた」とホッとした表情を見せた。

木山監督は「流れの中から1点目を取れたのが大きかった。(2点目の)井出は前節、山形で初ゴール。肩の力が抜け、いいプレーをしてくれた」。今節は首位柏レイソルが敗れ、勝ち点5差に迫った。ラストスパートは井出がけん引する。【山田愛斗】

◆被シュート0 J2では今年3月30日、FC町田ゼルビアが史上初めて愛媛FCにシュートを1本も打たせず1-0で完封勝ち。山形はJ2史上2度目の快挙。J1では過去1試合あり、09年11月8日、山形が鹿島アントラーズに0-2で敗れた際に記録された。