昨季J3を制したJ2ギラヴァンツ北九州は19日、福岡・北九州市内で23日開幕戦へ調整した。午前と午後の2部練習のこの日、午後は、アビスパ福岡の4バックとダブルボランチを想定した人形のダミーを配置して、攻撃のパターンを入念に確認した。

両SBの攻撃参加からのクロスに、ゴール前で複数人がからむ形や、ボランチの縦パスから守備の背後を奪う戦法などを何度も繰り返した。

かつて福岡の強化部長を務めた小林伸二監督(59)からは「トップとトップ下は(攻撃を)イメージして」「ボランチはピンポイントで(裏に)蹴って」などと、大きな声で指示が飛んだ。

J2復帰で迎える今季は、ホーム試合(ミクスタ)で北九州-福岡の“福岡ダービー”として幕開けするだけに、指導にも熱が入ったに違いない。

開幕を心待ちにするのは、指揮官だけではない。福岡市出身で中学から福岡の下部組織で育ち、今季から北九州の主将を務めるMF川上竜(25)もその1人だ。「福岡大時代も、そこ(福岡)を目指してやっていた。福岡には知っている選手もいるので成長した姿を見せたい」と言い、オフには食事もする仲というMF鈴木惇(30)も所属する福岡との対戦を楽しみにした。

さらには、福岡・飯塚市出身で中学から北九州の下部組織で育ち、阪南大から新加入のMF永野雄大(22)も闘志満々で「中1から福岡ダービーはスタンドから見ていた。いつかこの舞台に立ちたいと思ってきました」と声を弾ませる。北九州市出身のベテランFW池元友樹(34)にとっても、負けられない戦い。4日後に迫った。【菊川光一】