Jリーグの村井満チェアマンは23日、この日午後に行われた「Jリーグ合同実行委員会」後に取材に応じ、協議内容を明かした。

Jリーグは最速で6月2週目でのリーグ戦再開を想定しているが、この日の実行委員会では7月までその時期がずれ込むことも想定した準備を呼びかけたといい、村井チェアマンは「無観客試合というシナリオもそろそろ選択肢に入ってくる」と口にした。これまでは観客席の密集を避ける観客収容率50%以下での開催を基本線としていたため、「無観客でのシミュレーションがしっかりできていない場合がある」と話し、「チームは通常と同じ宿泊の段取りでいいのか、食事はどうするのか、ベンチの使い方等々、こうした内容についても(無観客を想定して)考えていこうということになった」と説明した。

22日に行ったJリーグ内の会議では無観客試合となった場合について、バーチャル広告や、映像を通して観戦しているファンからの良いプレーに対する「投げ銭」などさまざまな案が出ていることも明かした。村井チェアマンは「そうしたデジタル環境が整っているようであります。積極果敢なアイデアはアグレッシブに出していこうという話をしている」と力を込めた。

また、村井チェアマンが20日に首相官邸で菅義偉官房長官と面会し、JリーグクラブのクラブハウスをPCR検査会場として提供することを提案したことへの説明も行った。これについては「実行委員会や理事会等で決議したものを持ち込んだものではなかった」といい、この日の実行委員会でも各クラブへ経緯説明を行ったことを明かした。政府側からは「大変ありがたい。何か形になればいいですね」と感謝を受けたといい「まずはその感触を行政サイドに確認した上で筋が良ければクラブに持ち帰ろうということで打診した話でした。行政サイドも全クラブ、全国でとは全く考えておりませんでしたし、今でもそうだと思います。私が全クラブに号令をかける話でもありません。クラブハウスは行政所有が大半ではありますし、近隣住民の感情もあります。こういう話が具体的になってきたらクラブと話していこうと了解を得ています。何か具体的な検査設備提供について具現化しているものはありません」と説明した。

このほか、実行委員会ではスタジアムなどでの広告看板掲出スポンサーへの対応などについての話も出たことを明かした。開催試合数減少が検討されている中、当初の契約料金通りの広告メリットをスポンサーに提供できない状況に陥る可能性があるとし、村井チェアマンは「スポンサー企業がコロナの普及を支援するという名目で広告費の減額相当分をクラブに寄付してくれた場合は、寄付扱いとしてクラブに税負担が発生することがないような働きかけを政府当局にできるよう努力していくと申しました」と話した。

この日午前には日本野球機構(NPB)との第6回「新型コロナウイルス対策連絡会議」も開催しており、終了後に村井チェアマンらも参加してオンラインでの会見も実施。村井チェアマンは会議でのJリーグ再開日程についての具体的な議論はなく、状況を見守りながら選手のメンタルケアなどに努めていく意思を明かしていた。