J1横浜F・マリノスのユース出身の有志6人による新型コロナウイルスの感染拡大を受けて発足した新プロジェクト「ROOTS.」が本格始動し、メンバーの長谷川アーリアジャスール(31=名古屋グランパス)、田代真一(32=横浜FC)らが活動について語った。

プロジェクトメンバーは長谷川、田代のほか森谷賢太郎(31=愛媛FC)、武田英二郎(31=横浜FC)、山岸純平(元法大サッカー部)、斎藤陽介(元横浜F・マリノス)の6人。新型コロナウイルス感染拡大の影響で日常生活が制限される中、サッカーやスポーツを通して自分たちにできることを提供していきたいという強い思いで発足させたという。

6月には初回活動として小学生5、6年生を対象としたオンライントークイベントを3度にわたって開催。子供たちからの質問に各選手が答えるなどして盛り上がった。これまで対戦したり、一緒にプレーした選手で特に印象に残っている人を聞かれた際には、長谷川がかつて所属した横浜やセレッソ大阪時代を回顧し「マリノスでは中澤佑二さん、中村俊輔さん、松田直樹さんなど、日本を代表する選手には刺激を受けました。あとは、セレッソ時代に一緒にプレーした南野拓実は、昔から強い気持ちを持って負けん気があったので、リバプールに移籍したことも決して偶然ではなく、むしろ必然だったと思っています」と語った。

田代は現在所属する横浜FCに所属するベテラン選手たちについて語り「カズさんをはじめレジェンドの選手たちに共通して言えることは、みんなサッカーに対する熱量がすごくて、とにかくサッカーが好きなんだなと感じました」と話した。

SNSの普及もあり、リーグ戦休止期間中は選手たちがライブ配信やイベントなどを行ってファンと積極的に交流する姿が多く目についた。武田はこうした動きについて「誰にどう支えられてサッカーができていたのかをみんな考えたんじゃないかなと思います。そういう意味では選手にとってもいい時間でした」と口にし「その中でサッカーがまたできる幸せを感じ、感謝の気持ちを持つことができているので良かったと思います」と話した。

Jリーグは6月27日のJ2再開、J3開幕をもって再び動きだした。同プロジェクトは今後も継続していくといい、森谷は「今回のようなトークセッションも続けていきたいし、サッカー教室やオフラインでもつながれるようなコンテンツができないかも話しています。簡単には言えないですけど、やり続けていきたい」と意気込んだ。

長谷川も「子供たちに話を聞き、経験などを話すことで、自分たちもやらないといけないことや頑張ろうと思えることがありました。これからも活動に賛同してくれる人などを巻き込みながらやっていきたい」と力を込めた。【松尾幸之介】