FC東京がパース(オーストラリア)に1-0で勝利し、1次リーグF組2位で決勝トーナメント(T)進出を決めた。

前半8分にFWアダイウトン(29)が決めた1点を守りきった。これでヴィッセル神戸、横浜F・マリノスに続いて日本勢は3チームとも16強に進んだ。東京はクラブ最高成績となる8強進出を目指し、6日にE組1位の北京国安(中国)と対戦する。

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東京らしい、鮮やかな速攻だった。前半8分、今大会初先発のMF品田が、自陣から左サイドへカウンター気味にロングパス。走って受けたFWアダイウトンがドリブルでDFを振り切り、そのまま右足でゴール右隅へ決めた。長谷川監督は「先制点がチームに力と勇気を与えてくれた」と振り返った。

試合前に勝ち点で並んでいた上海申花(中国)が同時刻開催でリードを許している情報は得ていた。それでもどん欲に追加点を狙った。途中出場のMFレアンドロやFW原が惜しいシュートを次々と放つ。2点目こそ奪えなかったが、主導権を握って地力の差を見せた。

今大会は正GK林が負傷で欠場。FWディエゴ・オリヴェイラも上海申花戦で全治約3週間のけがを負った。またこの日はDF森重が累積警告で出場停止と、中2日での連戦で迎えた最終節は攻守のリーダーを欠いていた。最終ラインに入ったベテランDF丹羽は無観客で声が通ることを生かし、品田ら若手選手に積極的に声をかけて統率した。「中盤から前線までコンパクトにまとまっていた」。決定機を作らせず、無失点で決勝Tへの切符を勝ち取った。

これで神戸、横浜に続き、Jリーグ勢がそろって突破を決めた。コロナ対策で、練習と食事以外は宿舎の部屋から出ることもできない中、同じホテルで顔を合わせることもあった2クラブが先に決勝T進出を決めたことも刺激になった。「カタールで1試合でも多くやりたい」と東主将。まずは12年大会、16年大会と阻まれてきた16強の壁を、三度目の正直で突き破る。