コンサドーレ札幌が18日、沖縄県内でキャンプをスタートさせた。ミハイロ・ペトロビッチ監督(63)が今月2日に左大腿(だいたい)骨を骨折し、オーストリアで療養中。指揮官不在、外国籍選手7人もまだ合流していない異例の始動となったが、四方田修平ヘッドコーチ(47)を中心に、まずは今季を戦い抜く体づくりから着手する。

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札幌にとっては異例ずくめの始動となった。沖縄・那覇空港から練習場へ直行したチームの顔ぶれに、就任4年目のペトロビッチ監督の姿はない。集まった選手にあいさつをしたのは四方田ヘッドコーチだった。ボール回しなど軽いメニューをこなす選手の動きをチェックし「移動疲れもあったと思う。全体的には硬さもあったと思うけど、練習で徐々にほぐれてきた。明日以降はどんどん雰囲気も明るく良くなっていくと思う」と初日を振り返った。

指揮官は帰国中のオーストリアで左大腿骨を骨折し手術を受けた。チーム合流は未定で、不在の間は同ヘッドコーチがまとめ役となる。密に連携を図っていくつもりで「最初の1週間は体づくりが大切と共有している。(午前と午後の)2回練習が続く。シーズン中より走る量は多い」と、体力強化に取り組む。映像で練習の確認もしてもらう予定で、遠隔指導をスムーズに行うための役割も務める。

この日、練習参加したのは下部組織の選手をのぞき19人。登録28人のうち外国籍選手7人、リハビリ中のMF荒野、法大で大会出場中のGK中野小が不参加だった。昨季はシーズン終了が遅く、帰国した外国籍選手には休暇日数確保のためクラブが遅れての合流を認めた。新型コロナウイルス陽性判定を受けて英国で療養中のFWジェイ、入国制限解除を待つ新加入のナイジェリア人FWガブリエル以外の選手はすでに来日しているが、自主隔離期間中でキャンプ2週目からの合流の見込みだ。MF宮沢は「そろえばいいトレーニングができる。早く合流して欲しい」と心待ちにした。

全員そろっての始動とはいかなかったが、「この素晴らしいピッチでいい準備をしていきたい」と宮沢。全員集合の時を待ち望みながら、札幌特有の長期キャンプは、幕を開けた。【保坂果那】

<札幌ペトロビッチ監督の始動>

◆18年 就任1年目のキャンプは沖縄からスタート。初日からパスなど自ら手本を見せるなど積極的で、2日目には早くも4時間のハードトレ。選手からは「マジ、キツい」の声も。

◆19年 1次キャンプ地はMFチャナティップの母国タイ。リーグ4位だった前シーズン同様に攻撃的サッカーを提唱。初日からゴール前の戦術練習を行い、攻める意識をもたせた。

◆20年 2年連続でタイで始動。期間中に練習試合4試合を消化し、より実戦型のキャンプに。前シーズンの失点がリーグ11位の1試合平均1・44だったため、攻撃的サッカーを継続しつつ守備改革にも着手した。