北海道コンサドーレ札幌は名古屋に0-1で敗れ、20年ぶりの開幕2連勝を逃した。5-1で大勝した2月27日開幕戦の横浜FC戦と同じ先発で臨んだが、昨季リーグ最少失点の堅守を誇る名古屋の守備を突破できず今季初の完封負け。

ルヴァン杯を含め今季公式戦3戦目での初黒星も、ペトロビッチ監督(63)は「成長の見える試合」と評価。中3日で迎える次戦で再び白星を目指す。

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今季初の完封負けを喫したペトロビッチ監督は、淡々と試合を総括した。「相手に1チャンスをものにされてしまい、悔しい結果に終わったゲームだ。ただ選手たちは立ち上がりから高い集中力で自分たちの戦いをしっかりと全うしてくれた」。20年ぶり開幕2連勝を逃す敗戦を受け止めた上で「成長の見える試合だ」とも語ったのは昨季からの進化を感じたからだ。

後半37分に相手にパスをつながれて失点するまでは「互角」(ペトロビッチ監督)に戦った。昨季3位の名古屋に、5-1で大勝した開幕戦と同じ布陣で臨んだ。昨季チーム得点王のFWロペスは「監督が攻撃で要求していることは試合で表せた」。前半17分にはFW小柏との連係で決定機をつくり、後半18分にはMFチャナティップのパスを枠内に蹴り込んだ。相手が3本だったCKは11本。シュート数でも相手を1本上回る8本放つなど「良い内容」とロペスが振り返るのも分かる。

昨季、0-3で敗れた前回対戦の試合後に「前半の出来が全て」とうなだれるしかなかった指揮官は、この日「選手たちはプロフェッショナルな戦いを見せてくれた」と納得した。それでも欲しいのは結果。開幕戦の横浜FCは20年にJ1昇格、3日ルヴァン杯の福岡は5季ぶりにJ1に復帰したチームで、計8得点で連勝した。昨季リーグ最少失点の名古屋とは真価の問われる一戦だったが、鉄壁の守備は崩せず無得点に終わった。主将のMF宮沢は「上を狙うチームとしては改善していかないといけない」と誓った。

チーム史上初のリーグ&カップ開幕ダブル勝利の勢いは小休止。ただ今季も休む間もなく中3日で次節広島戦が組まれる過密日程。ペトロビッチ監督は「負けは負けでも意味のある敗戦だった。今日、得た記憶を生かして次につなげていきたい」。敗戦の中で得た手応えを、次戦につなげる。【浅水友輝】