J1アビスパ福岡MF前寛之主将(25)が、0-0で引き分けた7日のガンバ大阪戦(アウェー)で体を張った。

福岡は一部選手の新型コロナウイルス陽性者判明の影響で4日の練習を急きょ取りやめ、5日の練習も午前予定から夕方に変更した。

そんな試練の中で迎えたガンバ大阪戦。3日の北海道コンサドーレ札幌戦から中3日と十分な準備期間があったわけでもなく「予定されていたチームスケジュールが二転三転し、コンディションづくりで言えば難しかったです。中2、3日の中ではトレーニング自体はできないので難しさはありますが、選手おのおので対応して試合に臨めた」(前)というのが本音だった。

だが、主将としてチームをけん引する責務がある。「ガンバ大阪さんも感染があって苦しんだと思うし、日頃から僕らも気をつけていこうという話はしていた」と言い、新型コロナウイルス感染防止策は徹底していたという。

それでも、ガンバ大阪戦前に選手2人の陽性が判明。前は「感染した人の思いも含めて戦おうということをチームで話しあえた。僕からは『集中してやろう』ということを話しました」と士気を高めてきた。

実は前自身、昨夏にコロナ陽性でチームを離脱した。その間、成績も低迷。苦い経験を経て、チームに献身する思いをさらに強めてきた。

そんな中、司令塔として難敵相手に勝ち点1を積み上げ「勝ち点を拾っていくことは大事なので、勝ち点1を積めて前向きに考えている。中2日で試合があるので、そこにパワーを持って行きたい」。次節の10日セレッソ大阪戦(ヤンマー)へ弾みをつけた。【菊川光一】