アルビレックス新潟はアウェーでモンテディオ山形と1-1で引き分けた。連勝は4で止まり、J1昇格は次節以降に持ち越しとなったが、敵地で勝ち点1を奪い、優勝での昇格に1歩、前進した。後半開始からピッチに投入されたFW谷口海斗(27)が、0-1の後半40分にチームトップタイとなる今季9得点目を奪い、スタジアムに駆けつけた5000人超の新潟サポーターを沸かせた。粘り強さを見せ、次節8日、ホームでベガルタ仙台と対戦する。

ストライカーが意地を見せた。0-1の後半40分。谷口はDF田上、左DF堀米、MF高とつながれるボールに合わせて体を反転させながらゴール前で息を潜める。一瞬の動きで相手マークを外した。堀米のラストパスをペナルティーエリア内で受けると最後は迷わずに右足を振り抜き、ネットを揺らした。MF高木に並ぶチームトップタイの今季9得点目は貴重な同点弾に「しっかりと決めることができて良かった」も、「勝ちたかったので悔しい」と振り返った。

新潟はJ1参入プレーオフ進出を狙う相手の勢いに押され、前半34分に先制点を献上。ベンチスタートだった谷口は「自分が入ったら前への迫力を出そうと思った」。後半の投入直後からアグレッシブにボールを追って攻撃を勢いづけると、後半11分に左サイドを抜け出してシュート。同20分には右CKを頭で合わせるなど次々と決定機にかかわった。敵地に集まった5000人超のサポーターとともに試合をひっくり返すことはできなかったが「負けなかったことをポジティブにとらえ、次に向けていい準備をする」と前を向いた。

6年ぶりのJ1昇格は次節以降に持ち越しも、勝ち点を78に伸ばして首位をキープする。リーグ戦は残り3試合。今日2日に行われる3位岡山の金沢戦の結果次第では次節ホーム仙台戦で“地力”で昇格を決めることもできる。谷口は「自分たちのスタイルを貫いて、勝ち点3を取り続けたい」と最終戦まで全力プレーを誓った。【小林忠】

◆松橋監督「前半、選手のキャラクターが見えなくて残念だったが、後半は修正できた。少し目標(昇格)が見えることで心理的に人はどうしても前のめりになる。そのあたりの改善も必要」

◆J1昇格の行方 新潟の来季J1昇格決定は次節以降に持ち越し。1日の山形戦に引き分けて勝ち点78。残り4試合で勝ち点69の3位岡山が今日2日の金沢戦で引き分け以下だった場合、新潟は次節8日のホーム仙台戦に勝てば6年ぶりのJ1復帰が決まる。新潟は勝ち点81となり、岡山が翌9日の甲府戦から3連勝したとしても勝ち点は79以下にとどまるため。また、岡山が2日金沢戦に敗れると勝ち点69(最大78)で、新潟は8日の仙台戦に引き分けても勝ち点79となり、J1昇格が決定する。