ジュビロ磐田の来季J2降格が決まった。勝利だけが求められたアウェーG大阪戦は0-2で完敗。17位以下が確定し、クラブ史上3度目の陥落となった。クラブ再建へ長期的なビジョンを打ち出しながら、シーズン途中に監督交代。フロントへの不信感を募らせた選手らは一体感を欠き、わずか1年でJ2に逆戻りとなった。

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必然の降格だった。無情の笛が鳴ると、磐田の選手らはぼうぜんと立ち尽くし、勝利で喜ぶ相手とのコントラストが分かれた。J1復帰を喜んだ昨年11月14日から349日-。わずか1年でJ1の舞台から姿を消す。渋谷洋樹(ひろき)監督(55)は「私の力不足」と力なく話した。

今季は伊藤彰前監督(50)を招聘(しょうへい)。結果重視ではなく、来季以降にもつながるスタイルの構築を目指した。だが、8月に成績不振を理由に契約を解除。小野勝社長は「断腸の思い」と説明したが、現場との思いに相違があった。「最後までみんなで戦いたかった」というのが選手と指揮官の本音。この決断を機に、選手とフロントとの溝が広がった。

後任の渋谷監督は残留を目指して現実的な戦いに終始したが、結果が出なかった。MF山田大記(33)は「長期的なビジョンを捨て、短期的な目標の残留も果たせなかった」。クラブ再建への土台作りと位置付けた今季は、一枚岩になりきれないまま終戦。DF大井健太郎主将(38)も「悔しいの一言」とうつむいた。

1997~2002年に計3度の年間優勝を誇った名門は、J1とJ2を行き来する「エレベータークラブ」のレッテルを貼られた。来季は三たびJ2。3季ぶりのJ1で得たものは何もなかった。【神谷亮磨】

【J1】磐田がJ2降格、G大阪2発快勝/残留争い詳細