鹿島アントラーズは17日に「Jリーグ30周年記念マッチ」として国立競技場で名古屋グランパスと対戦する。

93年の開幕時の開幕カードで、当時の鹿島MFジーコがハットトリックを決めるなど大勝した。このほど、来日中のジーコ氏(70=鹿島クラブアドバイザー)が取材に応じ、Jリーグの30年ついて熱く語った。

     ◇     ◇    ◇

ジーコ氏の開幕戦でのハットトリックは、今もJリーグの歴史に色濃く刻まれている。ジーコ氏は「鹿島という人口4万人の小さい町のクラブがJ1に参戦することで、注目されていた。その中で結果が出せたことは大きかったし、日本のサッカー、鹿島のためにも意味があった。あの時私が現役としてあれだけプレーできていたことにも感謝しないといけません」と笑った。

ジーコ氏が得点した94年6月のジュビロ磐田戦でのゴールは、現在もJ1最年長得点(41歳3カ月12日)として続く。相手サポーターからも拍手を浴びたこの試合は、ジーコ氏がJリーグでの思い出に残る1試合でもある。ジーコ氏は「記録が破られてないことは全然気にしていない」とキッパリ。

「最近のサッカーを見ると、個人がすごくフォーカスされている。個人がやたらと自分の記録を気にするようになっているのを見て取れる」と、サッカーが団体スポーツであることを強調。「今の鹿島も、みんなで戦っている。団体として、1つにまとまって強くなって、マリノスのような強いクラブに少しでも近づけるように、築き上げていかなくてはいけない」と、鹿島の発展にも期待を寄せた。

Jリーグが発足し、日本はワールドカップ(W杯)に7大会連続で出場。アジア・チャンピオンズリーグ(ACL)でも浦和レッズが3回優勝し、鹿島も優勝を果たした。ジーコ氏は今後の日本のサッカーに「次の30年の役割は、W杯決勝に行くこと」と未来を描いた。【岩田千代巳】