スポーツ界などで活躍する静岡県人を紹介する企画「静岡人魂」。静岡市出身でJ3いわてグルージャ盛岡(岩手)の元日本代表MF水野晃樹(清水商出、38)は昨年、アマチュアクラブからプロに復帰。今年9月に39歳を迎えるベテランには強い「地元愛」がある。【取材・構成=神谷亮磨】

水野の「地元愛」を感じる出来事があった。22年9月下旬。台風15号による大雨で静岡市清水区は断水被害を受けた。すると、本人から連絡が入った。「支援物資を届けたい」。翌日、トラックを自ら運転して物資を運んできた。しかも、支援が行き届いていない山間地にも出向いた。さらに、その様子をSNSにアップし、被害状況も発信した。

支援活動は計4日間。当時、はやぶさイレブンに所属していたため、神奈川県から往復200キロ以上の道のりだ。その間もチームの練習や公式戦に出場。「地元を少しでも助けたい」。ある場所ではスーパーの職員だと勘違いされ、「まだ知名度が低いな。もっと頑張らないと」。物資を届けた場所の子どもたちとボールを蹴り、写真撮影にも気さくに応じた。普段応援されているから、自分も応援する。プロの世界に戻った水野の活躍を、楽しみにしている人は少なくないはずだ。【神谷亮磨】