アルビレックス新潟の選手、指導者、フロント、裏方さんなどを随時掲載する「アルビを支える人たち」。今回は、吉本岳史新ヘッドコーチ(HC、46)。現役時代は名古屋グランパス、水戸ホーリーホックでプレーし、引退後はサラリーマン生活を経て、12年にブランデュー弘前FCで監督業をスタートさせた。昨季は高知ユナイテッドSCをJ3初昇格に導く手腕を発揮。今季は新潟の守備戦術を主に担っていく。【取材・構成=小林忠】
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-チーム始動から3週間。選手との信頼関係構築は
「この選手とだけ話して、この選手とは話をしないというのは嫌。敏感なところに関してアンテナは高い方なので、あいさつとプラスアルファで、ささいなことを話しかけています」
-今季は主に守備を担当
「攻撃が際立つ守備の仕組み作りを進めています。これまでの守備をブラッシュアップさせながら不利な状況を減らすことが大きなポイント。イメージは『守備をしない守備』です」
-守備をしない守備
「守備時も自分たちからアクションを起こし、ロングボールをアバウトに蹴らせる。時にはあえてスペースを空けて蹴らせて回収する。自分たちで餌をまき、囲い込んでボールを奪い切る。スペースや味方のポジションなど、やみくもだった部分を、より意図的にしていきます」
-ハイプレスハイラインが鍵を握る
「敵陣で発動するショートカウンターも新潟の武器の1つ。コンパクトな陣形でボールを追う『群れ』を作りたい。監督からは4枚(4バック)だけでなく違うオーダーもある。いずれにせよコンパクトなサッカーができる状況を作り出したいです」
-昨季は59失点
「チームとしてボールを奪いに行くところと行かないところのメリハリ、角度の問題などがありました。ただ、個々の能力が高いので、ほころびが出来る前に修正できる。最低でも40点台に抑えられます」
-攻守の切り替えの速さも求める
「時間とスペースを与えずに相手を困らせる。慌てて奪いに行くよりも余裕を持って対応し、ミスを起こさせる状況を作りたいです」
-12年に発足間もない弘前で選手兼監督として指導者デビュー
「多くの方とゼロからチームを作り上げた経験は大きかったです。また、弘前に行く前の2年半は不動産会社の総務経理部で働きました。当時の社長に本気で怒られたこともあります(笑い)。他分野の経験を生かせる部分もありますね」
-現役時代はボランチとセンターバックが主戦場。FKの名手で05年には水戸でチーム得点王
「ファイタータイプでジャンプ力には自信がありました。セットプレーは精度の高い右足で蹴っていましたが、逆足も遜色なく蹴れました。新潟は(宮本)英治が縦回転のキックが出来るので(FK)練習で勝負します」
-03、04年に水戸で樹森大介監督とプレー
「(樹森監督は)駆け引きや、動きだしのうまさで勝負していましたね。いろいろなものが見えていたと思います。感覚は人に教えられるようなものでもないですが『こうなったらこうなるだろうな』など相手の嫌がるところを常に見て判断していました」
-指導者として再びコンビを組む
「イエスマンがスタッフの中にそろっても面白くない。監督と意見をぶつけ合う時もあるでしょう。いい関係性を築きながら前に進みたい。長いシーズン。難しい時に、苦しんでいる選手が戻れる場所をつくることも私の役割の1つ。チーム、ファミリーとして、ポジティブな声をかけていきます」
-吉本HCにとって初のJ1舞台が幕を開ける
「ワクワク、ドキドキしています。あっけらかんと楽しく過ごすより、難しいことを選んだ方が乗り越える力がついたり、新しいものに気づける性格。いろいろな角度、方法から選手たちを見続け、その中で手を差し伸べるかを見極めてコミュニケーションを取りたいと思います」
◆吉本岳史(よしもと・たかふみ)1978年(昭53)5月13日生まれ、高知県四万十市出身。南宇和高-福岡大-名古屋-横浜FC-水戸-横浜FC。引退後は2年半のサラリーマン生活を経て、12年にブランデュー弘前の監督就任(選手兼任)。18、19年は横浜FCジュニアユースコーチ兼U-14監督。20、21年は高知ユナイテッドでコーチ、22年から監督。J1・1試合出場。J2・194試合出場18得点。天皇杯14試合出場1得点。東北1部48試合出場4得点。東北2部北34試合出場7得点。



