東京ヴェルディがまさかの0-6の大敗を喫した。横浜F・マリノスの前に一方的な展開のまま、あえなく敗れ去った。
前半25分に敵陣ゴール前から縦パス一本でFW近藤友喜に突破されて先制点を浴びると、堅守を持ち味としてきたチームは次々と失点を重ねた。
試合後の会見で城福浩監督は「サポーターには申し訳ない試合を見せたと思います。そのブーイングの全てを自分が受け止めたいと思います。今週の自分の準備が悪かった結果、このような試合内容にしてしまったと、これは心の底からそう思っていますし、このチームが手放しちゃいけないものを手放した状態で試合をすると、こうなるということを今更ながら改めて強く感じられた試合でした。それのみが今日の収穫で、今日の試合結果そのものについては、全ての原因は自分にあると思います」と反省の弁に終始した。
城福監督がいう「手放しちゃいけないもの」。それは強度の高い守備が基盤となる戦い方。11人が一体となり、妥協のないハードワークでリズムをつくり、いい守備からいい攻撃へとつつなげていくもの。“頭から湯気を出す”と表現される戦い方だ。
この日は球際のデュエルであっさりと敗れ、ボールを持っても前へ運べず、相手に引っかけられて速い攻撃を食らった。
ここに関して城福監督は「僕のクオリティーの伝え方が悪かった。クオリティーっていうのを勘違いさせた結果、ボールの奪いどころがないような状況にしたと思います」と口にした。
攻守にスキのないチームがまさかの崩壊。ここまで紙一枚一枚を重ねていくかのようにチーム作りを行ってきた指揮官はこう口にした。
「我々は1人1人の個性を大事にしながらも、チームとして絶対にリーグの中で最高レベルを見せなきゃいけないものがあったはずで、それがギリギリ勝ち点を積み上げてきたはずです。少し違うアプローチでやった途端に我々の今の力が出たということだと思います。決して我々は楽に今まで勝ち点を稼いできたわけじゃないので、どれぐらい局面で頭を使いながら戦って、誰も気づかないところでハードワークをして勝ち点を稼いできたか。それが誰もきづかないのであれば、動かなかったらこういう結果になるんです」
城福監督が言うところの「ヴェルディのハードワーク」とはなんぞや。あらためてこう表現した。
「見に来てくれているお客さんが誰も気づかないタイミングで、そのエリアで1歩2歩の準備、1秒2秒の早い準備をしなければ、あるいは局面の戦いのところでその準備がなければ、簡単にこういう結果になる」
誰も気づかないところでの準備が堅守のミソ。その戦術の一丁目一番地が損なわれれば、大敗するのが現実ということを再認識した。
「本当に繰り返しになりますけど、自分も含めてチームが、クラブがそれを感じられる試合になるのであれば、それが唯一の今日のポジティブなポイントかなというふうに思います」
良薬は口に苦し-。今後につなげていくという意味では、2022年6月からの城福体制以降ワーストとなる6失点負けも無駄ではないのかもしれない。
この結果、勝ち点28で並んだ川崎フロンターレに得失点で上回られて東の5位が確定した。
【佐藤隆志】



