<練習試合:山形2-1福岡(第1試合)福岡1-0山形(第2試合)>◇16日◇宮崎・生目の杜運動公園陸上競技場

 来日からわずか5日目にして、ブラジル人ストライカーが試合に出場した。宮崎での2次キャンプを開始したJ1山形は16日、J2福岡と練習試合を2試合こなした。FWジャジャ(22)が2試合目の後半23分から出場。ここまで全体練習に参加していないため連係不足を感じさせたが、得意のドリブルを披露。ポストをかすめる惜しいシュートも放ち、優良助っ人の片りんを見せた。

 ベンチに座らず、出番を待ち続けたジャジャが、後半20分すぎに小林監督に呼ばれた。ジェスチャー交じりの指示を受けた新外国人が後半23分、胸の前で十字を切って、勢いよくピッチに入った。「出番を待ちながら、中盤かな、FWかなと思っていた」というジャジャは、坂井とコンビでツートップに入った。

 ボールに触った数はわずかだが、随所に今後を期待させる動きを見せた。攻め上がろうとする相手に、自慢の快足を飛ばしてプレス。また39分には中央から右サイドへ、相手2人を引き連れた「独特のリズム」(小林監督)のドリブルで駆け上がると、ペナルティーエリアのやや外、45度の位置でピタッとストップ。相手のマークが外れたスキに左足でシュート。ファーポストのわずか外にそれたが「日本のボールに慣れてないけど、ブラジルなら入っていた」と悔しがった。

 控えでは異例の、試合開始からユニホーム姿で「出場直訴」したジャジャ。そんな新外国人に気づいていた小林監督は「あの角度から軽く打っても(ジャジャのプレーが収録された)DVDでも決めてた」と明かす。残りのキャンプでイレブンの信用を得れば、自然とボールも集まり、ゴールの機会も増すはずだ。

 日本語が分からないが、いたずらをしかけてコミュニケーションを図るひょうきん者のジャジャ。タレントの松尾伴内にそっくりだが、遠めだとポルトガル代表のC・ロナウドにも見えなくはない。J1定着を願うサポーターは、後者のような技術を発揮して、勝利に導くジャジャのプレーを期待しているはずだ。【山崎安昭】