【ワシントンDC(米国)22日(日本時間23日)=岡崎悠利】インターナショナル・チャンピオンズカップに参加中のスペイン1部リーグの名門レアル・マドリードのジネディーヌ・ジダン監督(47)が、日本代表FW久保建英(18)への過熱報道は銀河系軍団ゆえの“宿命”だと説いた。

23日(日本時間24日午前8時)にアーセナル(イングランド)と対戦するRマドリードは、試合会場で前日会見と練習を行った。20日のバイエルン・ミュンヘン戦は1-3と敗れたが、ジダン監督は「非常にいいこともあった。明日の試合に集中し、よりよい感覚をつかむために準備を続ける」と、リーグ開幕前の総仕上げの段階でもある今大会3試合を最大限に有効活用する考えを示した。

そのBミュンヘン戦では久保が日本人で初めてトップチームの試合に出場。試合後には、過剰なまでに高まっている注目に「周りからもいい目で見られない。自分がもっとビッグな選手になれるまで、控えてもらえたらうれしいなと思います」と心中を語った。

ジダン監督もかつてRマドリードでプレーし、常に大きな注目を浴びてきた。それだけに、久保の言葉について聞かれると「(注目が)いいか悪いかははっきりとは言えない」と回答。続けて「彼は今、自分がどこにいるかを分かっている」と話す目つきは厳しい。重圧は銀河系軍団の一員になった者の宿命であることを示唆していた。

ただ、指揮官は久保がそのプレッシャーに押しつぶされるとは思っていない。「彼は非常にいい練習をこなしているし、(試合で)プレーすることを怖がっていない」。Bミュンヘン戦で物おじせずに立ち向かった姿は、確かにジダン監督の脳裏に残っていた。

「彼はサッカーが好き。それは大切なことだ」

ジダンは穏やかな笑みを浮かべながらこうも言った。久保がデビュー戦を終えて残した「ピッチ内でのプレッシャーはありません」の言葉通り、自然体を貫くことが、銀河系の中でも輝くための道になりそうだ。