パルチザンFW浅野拓磨(25)は、アウェーでDF菅原由勢(19)が所属するAZ戦にフル出場し、1次リーグ初得点を挙げた。前半16分、後方からのロングパスを、ペナルティーエリア内に走り込みながら右足でトラップ。右足のつま先でゴール右に沈める技ありシュートで先制点を決めた。
チームは2点を先行して前半を折り返したが、終盤に2失点を喫して引き分け。1試合を残して1次リーグ敗退が決まった。一方で後半15分から出場した菅原のAZは、決勝トーナメント進出を確定した。
浅野の一問一答は以下の通り。
-欧州リーグの敗退が決まったが
浅野 この大会があるというのも、このチームでプレーするモチベーションになっていた。それがなくなるのはすごく残念ですけれど、残された試合に頑張るしかないですね。
-ゴールシーンは出し手との息もピッタリだった。イメージ通りか
浅野 そうですね。僕自身は本当にイメージ通りのゴールだったと思います。コントロールもうまくいって、ゴール前であれだけ落ち着けたのが良かったかなと思いますけれど。いつも、ああいう場面は狙ってますし、それがうまくいったシーンだったと思います。
-トラップした後、1回、体に当たってこぼれてシュート
浅野 トラップが前に行くんじゃなくて、自分の方に引き寄せられた分、落ち着ける時間があったのかなと思います。キーパーもしっかり見えてました。自分で言うのもあれですが『らしくなかった』のかなと思います(笑い)。
-リーグ戦ではPKで点をとり、立て続けに点を取れている自信、感触は
浅野 僕も海外に来て感じるのは、こういうときにてんぐになれる選手になりたいと感じてます。それはいい意味でですよ。なんでそう感じるかと言ったら、こっちの選手は1試合で人間が変わるんです。今まで全然だった選手が、試合で点を取って勝ったときには次の試合で別人になっているぐらい自信を持って、本当にてんぐになってプレーしているんです。「なんや、これ」と思うんですけれど、それが自信になって次の試合でも結果を残すという選手をチームメートもそうですし、いろんな選手を目の当たりにしてきた。
なかなか僕は、調子に乗るとか客観的に見てしまったり、僕自身もそれはやっちゃいけないと今までは抑えていました。特に日本では「こいつ、いいな」というアピールになって、次のプレーにもつながるんですけれど、海外ではそうじゃなくて結果が全てな分、てんぐになろうが何になろうが結果さえ出せば次に進めるので、そのメンタリティーを身に付けたいなというのは正直思ってます。
2点とっただけで、僕もそこは簡単には変わらないです。ただ自信になることは間違いないと思うので。まだ感覚がどうこうというところまでいってないですが、特に今日のゴールはイメージ通りでもありますし、こういうイメージを、自信を持って次の試合につなげていけたらなと思います。
-てんぐになるというのは、もう少しいい言葉を使うとオーラを出すということでしょうか
浅野 そうですね。それは海外の選手からしたら当たり前なんでしょうけれど、僕らからしたらそれはなかなかなじみのないことだからこそ「なんだこいつ、調子に乗ってんな」という。私生活ですらわかるぐらい調子に乗るんですよ、本当に。特にドイツ人はみんなそうでした。全然しゃべんなかった選手がゴールをとって勝ったときには、べらべらしゃべるような選手になった。それをオラオラしながら練習でも「俺に任せておけ」みたいな。
日本人からしたら練習をグダグダやっているのはよくないじゃないですか。でも試合になったら結果を残すんですよね。僕は練習でオラオラすることはないですけれど、勘違いするぐらいの自信を持ちたいなと思います。だけど、そう思ってる時点で、それはできないと思うので。
-ドイツでやってたときよりは楽しそうに見える
浅野 シンプルに試合ができてるからじゃないですか。「ああ、今日ダメだったな」と思っても、このチームはすぐ次の試合が来るので悩んでいる暇もないです。試合ができることの楽しさを、このチームで改めてまた感じている。それを経験しているうちに、しっかり結果を残して次につなげないとなあと思ってます。
-菅原選手と10分ぐらいマッチアップしたが印象は
浅野 ファーストプレーでガツガツ来ていて、「来るな」と思いました。だけど、それは関係なくピッチに入ったら意識せずにやった。でも、彼が入ってから明らかに攻撃にエンジンが掛かったというか、サイドでボールを持ったときに怖さが出てきたと思うので、試合の中で変えられたなという印象です。