日本代表MF久保建英(19)が11日、新天地のスペイン1部ビリャレアルの入団会見に臨んだ。 前日10日、クラブが所属元のレアル・マドリードとそろって1年間の期限付き移籍を発表した。昨季はリーグ5位に入るなど、常に上位争いをするチーム。新たな攻撃の核として、昨季の4ゴール4アシストを上回るエース級の活躍が期待される。欧州リーグ(EL)の出場権も獲得しており、マジョルカからのステップアップとして絶好の場となる。

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久保に限らず、Rマドリードという世界最高峰のクラブで選手に与えられるアピールの時間は決して多くない。今夏には22歳のMFロドリゲスが売却されることが濃厚。クラブのたたき上げで「クラブの真珠」などと期待された逸材でさえトップチームの扉を開けることは難しい。同じく下部組織出身でモロッコ代表DFハキミも7月にセリエAのインテルへ移籍が決定。ブンデスリーガの強豪ドルトムントへ期限付き移籍して開花したが、推定4000万ユーロ(約50億円)という価格でRマドリードが売却を決めた。

実力を示しても、市場価値が上昇したことで他クラブに売却されるという結末。久保も例外ではない。同タイミングで加入したブラジル人FWロドリゴにクラブが払った移籍金が約55億円であるのに対し、久保はゼロ。独サイト「トランスファーマーケット」によれば久保の市場価格は約37億円まで上がっている。1クラブ3つの外国人枠を使う久保がトップチーム25人の枠を勝ち取るには、突き抜けた結果が必要になる。【岡崎悠利】