ロンドン五輪6位の中本健太郎(34=安川電機)が2時間9分秒32秒でマラソン初優勝を果たした。日本人1位は8月の世界選手権(ロンドン)の代表選考の対象となるレースで、福岡国際(昨年12月)の川内優輝(29=埼玉県庁)のタイムより21秒遅れ。今月26日の東京、来月5日のびわ湖の結果次第だが、2大会ぶり3度目の代表入りに名乗りを上げた。

 中本は右手を小さく上げてフィニッシュテープを切った。2時間9分32秒。前半は先頭集団の後方で力をため、39キロ手前で2時間7分台の記録を持つデベレ(エチオピア)との一騎打ちから抜け出した。「タイムは物足りなさを感じますが、優勝がこんなに気持ちいいと初めて知った」とマラソン14度目にして初優勝の喜びに浸った。今後の世界選手権選考レースは出場しない意向で「楽しみな半面ドキドキ」と吉報を待つ。

 13年世界選手権では5位となったが、その後は股関節や右足のけがに悩まされ、不振にあえいだ。もう34歳。ここで結果が出なければ、長くは続けられないと引退の覚悟も決めていた。3年前から栄養士のサポートを受ける。食事の写真を送り、食べた量、不足する栄養素の指摘を受ける。「体力の衰えはある」と話すが、体調管理で年齢と向き合い、復活の足がかりを築いた。