低調大会裏で61歳弓削田さんが自身の世界記録更新

<さいたま国際マラソン>◇8日◇さいたまスーパーアリーナ発着(42・195キロ)

タイムが低調だった大会の裏で、偉大な世界新記録が誕生していた。61歳の弓削田真理子さん(埼玉おごせ石川眼科)が全体18位となる2時間56分54秒をマークした。自身が持つ60歳以上の女子世界記録を2分21秒更新した。

弓削田さんは大勢の報道陣がいる会見場に呼ばれた。11月3日の下関海響マラソンで60歳以上の女性ランナーで世界初となる3時間切りを達成したばかりだった。「その時は世界記録の感動で涙が出ましたが、今日は涙が出ませんでした。もう61歳ですから、(2時間)57分台が出れば思い残すことはないと思っていた」と明るく笑った。埼玉・飯能の出身。ずっと埼玉県で育った。「地元はテンションの上がり方が違いますね」と喜んだ。

普段は埼玉・狭山経済高で体育を指導する。授業も練習だ。「『300メートルを3本行くよ』とか一緒に走っています。ある意味、他の方より恵まれた職場」。中学から陸上部で、埼玉大3年時に東京国際女子マラソンを国立競技場で観戦したことから、フルマラソンに興味を持ったという。4人の子育ても終え、今は61歳とは思えぬ量を走る。10月の月間走行距離は「600キロ近く」という。11月は3度もフルマラソンに出場したという。

「いくつになっても勉強が好き」と言う。宗兄弟がサウナで疲労回復をしていると知ると、自身も取り入れた。平成の名伯楽・小出義雄さんが山道を走る練習メニューを取り入れていたことを聞くと、起伏あるコースを走るようになった。今も富士山、赤城山へ走りに行く。新しいことを求める意欲は、61歳になった今も衰えない。

これが「102回目」のフルマラソンだという。目標を問われると「150回くらい」。また「大阪国際狙ってますよ」とさらなる自己記録の更新を見据えた。

その他の写真

  • 60歳以上の世界記録を更新する2時間56分54秒でゴールした弓削田さんは笑顔で記念撮影に納まる(撮影・河野匠)