地元大阪の声援を力に変えた。松田瑞生(24=ダイハツ)が2時間21分47秒で優勝し、東京オリンピック(五輪)代表の座に前進。日本陸連が定めた2時間22分22秒の設定記録を上回る好タイムをたたき出し、18年にベルリンで記録した2時間22分23秒の自己ベストを塗り替えた。

松田は表彰台で「ありがとうございます。うそみたいです、うれしいです」とはじけるような笑顔を見せた。

昨年9月のMGCでは4位に沈み、ゴール後は号泣した。スローペースを想定していたが、序盤は想定外にペースが速かった。そこでリズムを作れなかった反省を生かし、序盤から速いペースでつっこめる練習を重ねてきた。

「今までの陸上人生で一番走り込んだ。ここまでやったら、もういいやというぐらいやり尽くした。このレースが最後でもいいというぐらい気持ちを込めて練習に取り組んできた」

積み重ねてきた練習を自信に変え、この日は序盤から積極的な走り。ペースメーカーを追い越こそうかというほどの勢いで飛ばし続け、前半を1時間09分54秒で通過。アフリカなどの海外勢を引き連れ、ハイペースで道頓堀の折り返し地点を過ぎると、25キロすぎではベレテ(バーレーン)と2人で抜け出す展開に。30キロを1時間39秒51秒で通過した後に仕掛け、最後まで力を振り絞った。

「2時間22分22秒より、もっともっと速く走れれば、名古屋を走る選手にもプレッシャーをかけられる。タイムを出すしかない。自信をもって楽しんで走りたい」。レース前にはこう話していた“腹筋女王”。2年前に初マラソンで優勝を遂げた大会で、堂々と駆け抜けた。