陸上女子で将来を期待される広中璃梨佳(りりか、19=日本郵政グループ)が8分52秒80で全体トップだった。

序盤から先頭を突っ走った。最後まで勢いは落ちなかった。蒸し暑いコンディションの中、8分56秒12だった自己ベストを更新。「自己ベストは自信になった」と充実感が漂った。

トレードマークの青い帽子は、サポートを受けるメーカーが変わったことでピンクに。心機一転のレースだった。赤いユニホームとの統一感も踏まえ、ピンクを選んだという。20日にも5000メートルで出場を予定する。

3000メートルの日本記録は8分41秒35。それを持っているのは、1学年上の田中希実(21=豊田自動織機TC)だ。走るたびに好記録を連発している田中について、広中は「希実先輩は尊敬できる先輩。いいライバルとも思っている。自分もタイムを出せるのでは思わされます」と話す。女子トラック種目は世界との壁が厚いが、若手が高いレベルで切磋琢磨(せっさたくま)している。

広中は長い手足を持ち、力強い腕振りが推進力を生む。長崎商高出身の社会人2年目。すでに女子5000メートルで東京オリンピック(五輪)の参加標準記録を突破している。田中らとの戦いになる日本選手権(12月・大阪)の女子5000メートルを優勝すれば、五輪の代表に決まる。