1秒差の屈辱を晴らした。東農大が、エース前田和摩(3年)の好走などで10時間34分59秒の6位に入り、2年ぶり71度目の本戦出場を決めた。
前回は予選通過の10位順大に1秒差の11位で涙。今回は10位立大まで1分57秒の貯金があった。1位通過は中央学院大、個人トップは山梨学院大のブライアン・キピエゴ(3年)だった。本戦は来年1月2、3日でシード10校、今回の予選通過10校、関東学生連合の計21チームが出場する。
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6番目に東農大の名が呼ばれた瞬間、前田はたまったものを吐き出すかのように、大きく息を吐いた。チームトップの全体14位で好走したエースは2年ぶりの本戦復帰に「3年目にしてすごく強いチームになってきた」と実感を込めた。
昨年はわずか1秒差に泣き、次点の11位。「この1秒を忘れるな!」。常に悔しさを思い出すためにと、チームは陸上部のホームページに昨年の総合結果ボードの写真を掲載。1秒に対する意識を高めてきた。
前田は「(自分は)あんまりベストな状態ではなかった」といった。故障を繰り返した脚の不調や体調不良にも悩んだ後だけに、苦戦した。それでも「ひたすら日本人の大きな集団に食らいついて、1秒でも前に出て。ただ粘るだけ」と15キロ前から日本人集団前方で冷静にペースを刻んだ。
2年前は日本人トップでゴールしたが、昨年はコンディション不足で欠場。それでも、この日は日本人6位でチームを押し上げた。
エースの走りは仲間を加速させた。チーム3番手でゴールした原田洋輔(4年)もスマートフォンのホーム画面に、昨年の結果を載せている。「あの1秒を忘れた日はない。走りだしたらすぐに『1秒』と浮かぶほど苦しかった」。
レース当日は、主将の菅原昇真(4年)のコンディション不良による欠場もあった。だが単独走組の前田と原田ら5選手は動じず、全体50位以内でフィニッシュし、後続5選手に貯金をつくった。教え子の成長ぶりには小指徹監督(61)も「あの1秒で負けたから今日があった」と喜ぶ。今度は1秒で笑うために、タスキをつなぐ。【泉光太郎】

