全日本柔道連盟(全柔連)は4日、今夏の世界選手権代表選手を決める5日の強化委員会を報道陣に公開すると発表した。

 選考の透明化が目的で、スポーツ界で極めて異例の試み。支障がなければ来年のリオデジャネイロ五輪代表選考も公開する。

 5日の強化委は福岡国際センターで全日本選抜体重別選手権の後に行われる。日本オリンピック委員会で選手の競技環境整備を担うアントラージュ専門部会長でもある全柔連の山下泰裕強化委員長は「日本のスポーツ界でも代表選考に不信感を抱く選手は多かった。透明化を図るため、柔道界が一歩踏み込んでやってみたい」と意図を説明した。最近では女子マラソンや卓球の世界選手権代表決定をめぐり、不満の声も出ている。

 柔道も過去の五輪や世界選手権代表選考で物議を醸すことが少なくなかった。公開に反対の委員が複数いたと明かした山下委員長は「マスコミがいれば本音で発言できないのではとの意見もあったが、真剣な議論を見てもらうことが重要だ」と述べた。