ついに錦織人気で、開幕初日に初めて1万人以上の観客が押し寄せた。初日としては過去最高の1万314人の大観衆の前で、世界6位の錦織圭(25=日清食品)が、逆転で18歳の新星を片付けた。同38位のチョリッチ(クロアチア)に2-6、6-1、6-2の2時間8分でフルセット勝ち。「自分のペースに引き戻せた。いい1回戦だった」と、勝利の瞬間、右手で何度もガッツポーズを繰り出した。

 第1セットは、相手の鉄壁の守備に「決め急いで焦った」。第2セットからは「我慢してラリーをなるべく続けるようにした」ことで、相手にミスが生まれ始めた。「第1セットのことは忘れて、第2セットからは落ち着いてできた」。見事な逆転劇で、2連覇に向け最初の難敵を葬った。

 2回戦は、同50位のクエリー(米国)が相手。過去3勝3敗と五分の星で、手を焼いている選手の1人だ。相手はサーブが武器なだけに「リターンに集中していきたい」と、再び難敵撃破を誓った。