日本レスリング界のエース、高谷惣亮(26=ALSOK)は「兄弟共闘」でリオデジャネイロ五輪の金メダルを目指す。アジア予選でリオ五輪キップを獲得した高谷ら日本男子チームが22日、成田着の航空機でカザフスタンから帰国。報道陣に囲まれた高谷は、右ひざのケガをおして出場枠を獲得できた要因に「弟のサポート」をあげた。

 「(弟の)大地の存在は大きかった」と高谷は打ち明けた。14年世界選手権代表の大地(21=拓大)は、20年東京五輪代表候補として日本協会が制定した「ターゲット選手」。今回は現地合宿で帯同していた。兄のためにマッサージなどを勉強し、体のケアなど世話をした。ケガの不安を抱える高谷の精神的に支えにもなった。「頼んで同部屋にしてもらった。出場枠がとれたのは、弟のおかげ」と高谷は感謝した。

 大地は「本当は2人でリオの金メダルをとりたかったけれど、(昨年全日本で敗れて)僕のリオはなくなったので、今回は兄の金メダルを全力で支えたい」と話した。そろって五輪金メダルという兄弟の夢は4年後にとっておき、まずは高谷がリオの金を狙う。