男子は日本代表の石川祐希(3年)を擁する中大が、東海大を3-1で下し、3年連続最多15度目の優勝を果たした。最優秀選手には中大の井上慎一朗主将(4年)が選ばれ、石川は最も印象的な選手のMIPを受賞。

 中大がエース石川の活躍で3連覇を飾った。第1、2セットを連取したが、ミスから第3セットを失った。迎えた第4セットはジュースまでもつれ込む大接戦。多彩な攻撃で的を絞らせない東海大に対して、ボールを集められた石川は、中大のエースとして味方の信頼に応えるようにバックアタックやスパイクを決めていった。3年生、20歳の石川は「絶対負けないぞという気持ちだけでした」。両軍最多となる37得点を稼いだエースは「4年生をしっかりと送り出してからイタリアに行きたかった。それができて良かった」と喜んだ。

 リオデジャネイロ五輪最終予選では日本のエースとして活躍し、これから約3カ月間はイタリア1部のラティーナでプレーする。1年時のモデナに続き2度目のイタリア挑戦だ。この日も桁違いの活躍を見せた石川について、松永理生監督(35)は「チームが悪い状態でも自分のプレーをしっかりとコントロールできるようになった。(イタリアでも)しっかりと結果を残して欲しい」とさらなる成長を期待した。来季は中大の主将としてチームを率いるが、日本代表で大学を離れることも多い。「自分がいなくてもしっかりと勝てるチームにしていきたい」。絶対的エースの目は既に来季に向いていた。【中島万季】

 ◆石川祐希(いしかわ・ゆうき)1995年(平7)12月11日、愛知県岡崎市生まれ。小4でバレーボールを始め、愛知・星城高では2、3年時に史上初の2年連続3冠を達成。14年に中大に進学。同年9月のアジア大会(仁川)で日本代表デビュー。同年12月から約3カ月間、イタリア1部モデナに短期留学。位置はウイングスパイカー。191センチ、80キロ。血液型AB。

 ◆男子個人表彰 ▽最優秀選手 井上慎一朗(中大4年)▽敢闘 久原翼(東海大4年)▽ベストスコアラー 石川祐希(中大3年)▽スパイク 神谷雄飛(東海大3年)▽ブロック 久原翼▽サーブ 石川祐希▽セッター 山口頌平(早大4年)▽レシーブ 武智洸史(中大3年)▽リベロ 井上航(東海大4年)▽優秀監督 松永理生(中大)