来年度に予定される日本版NCAA創設へ向けて、日体大は2日、東京・世田谷キャンパス記念講堂でアスレティックデパートメント・シンポジウム『日本版NCAAの可能性~大学スポーツの潜在能力~』(日刊スポーツ新聞社など後援)を開催した。

 日本版NCAAは全国の大学と競技を横断的に統括する組織で、米国のNCAAをモデルにしている。日体大はスポーツ庁が9月に発表した「大学スポーツ振興の推進事業」の8大学にも選定されている。基調講演した馳浩衆議院議員は「求心力と発進力が大学にはあり、日本の大きな国益になりうる。その力を出さないのはもったいない。スポーツの価値を高めることで、日本社会の価値も高まる。日本型のNCAAを制度設計していきたい」と宣言した。

 シンポジウムには帝京大ラグビー部監督の岩出雅之氏、アーチェリー五輪銀メダリストで日体大教授の山本博氏ら大学スポーツの最前線で活躍する関係者が一堂に会し、日本版NCAA創設への取り組みや課題、方向性などを発表し、情報を共有することで大学間の横の連係を深めた。「多くの大学が垣根を越えて横断的に取り組まなければならない。その第一歩になったと思います」と山本氏は話した。

 シンポジウムには今年の世界選手権で金メダルを獲得した体操の白井健三(21)とレスリングの文田健一郎(21)も参加した。