2014年度限りで廃部となったバドミントン女子の強豪ルネサスの元コーチが、当時監督を務めていた今井彰宏氏とコーチだった吉冨桂子氏に対する恐喝容疑の告訴状を熊本県警に提出したことが9日、関係者への取材で分かった。

 ルネサスのバドミントン部は15年4月に再春館製薬所が引き受け、今井、吉冨両氏や選手、元コーチらも入社した。告訴状によると、元コーチは14年8月に、再春館製薬所への移籍に絡んで40万円を吉冨氏に渡さなければ協力しない、と今井氏から脅され、指示に従ったという。共同通信は今井氏側に取材を申し入れたが、回答は得られなかった。

 今年2月限りで再春館製薬所を退社した今井氏を巡っては、熊本県協会の担当者をだまして選手の賞金を自分の口座に入金させたとして、同協会が5月に詐欺容疑で告訴状を県警に提出し、永久追放処分とした。今井氏の代理人弁護士は「詐欺罪に問われるような事実関係は一切ない」とのコメントを出している。

 再春館製薬所の元スタッフは、禁止されていたチーム内交際を理由に現金40万円を払うよう脅されたとして恐喝未遂容疑で今井氏を告訴した。