4大大会歴代最多20度の優勝を誇る世界2位のロジャー・フェデラー(36=スイス)が、芝コート通算175勝目を挙げ、並んでいたコナーズ(米国)を抜き、芝通算勝利数で単独最多となった。同64位のシュトルフ(ドイツ)に6-3、7-5、6-2のストレート勝ち。また、これが記念すべき芝通算200試合目だった。

 芝の王者は全くの無敵だ。この日も1セットも落とすことなく、ブレークポイントさえ与えなかった。第2セットこそ競ったが、ストレートの快勝に「いいテニスができている。満足している」と向かうところ敵なしだ。

 第3セットは、リターンでベースラインから内側に入り、サービスラインあたりに構えた。数年前に多用していた「SABR(スニーク・アタック・バイ・ロジャー)」だ。するすると前に出てアタックするという意味で、「少し楽しいことも必要」とお楽しみを増やす余裕のプレーだった。

 ウィンブルドン8度の優勝、芝コート通算175勝ともに歴代最多。名実ともに芝の王者に君臨し「うまくいかない時もあるが、どれもたいしたことはない」と9度目の優勝に向けて死角はない。【吉松忠弘】

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