B1中地区首位の新潟アルビレックスBBは13日と14日の第35節、地区初優勝をかけて、同2位川崎ブレイブサンダースとアウェーのとどろきアリーナ(川崎市)で対戦する。

川崎とのゲーム差は3で、新潟の優勝マジックは「2」。この2連戦のうち、1勝すれば新潟の地区Vが決まる。PG五十嵐圭(38)にとっても、自身のプロキャリアで初優勝に王手をかけた状況。最大のチャンスをものにするため全力でチームをけん引する。

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リラックスした様子はいつもと変わらない。12日のチーム練習。五十嵐は普段通りに調整をした。フォーメーションの確認、シュート練習などで約1時間。「60試合のうちの1つ。目の前の試合を勝つだけ」。開幕からこの姿勢を貫いてきた。“天王山”を前にしても力みはない。

旧JBL日立時代の08-09年シーズン、レギュラーシーズンとプレーオフで2位、09年の天皇杯も準優勝だった。これがここまでの自己最高成績。10年が過ぎ、地区とはいえ自身にとっても初優勝が待っている。「新潟に来てから、自分らしいプレーもできてチームの結果もついてきた。このチャンスをものにしたい」。そのために「試合開始から自分が引っぱらなければ」と言う。

ゲームメーク、守備、得点と、要所でバランス良く分担してきたPG柏木真介(37)が13日は出場停止。よりアグレッシブにプレーすることで補うつもりでいる。62-67で敗れた前回対戦(3月27日)、五十嵐は5アシストしたが、得点は3。打ったシュート本数も7本にとどまった。「だから、もっと積極的に打つ」。前回以上に点を奪うことが、柏木不在をカバーするだけでなく、得点源のCダバンテ・ガードナー(27)、PFラモント・ハミルトン(35)の負担軽減にもなる。

「まず川崎にリベンジしたい」。ホームでは2連敗を喫し、今季は1勝3敗。「ここで2連勝して、五分にしないと」。相手のホームで借りを返すことで地区優勝が手に入り、その後に控えるチャンピオンシップに向けてチームに自信もつく。先につなげるためにも目の前の1勝は重要だ。「自分たちらしいバスケをすれば勝てる」。秘めた闘志を最大のコートで形にする。【斎藤慎一郎】