2020年東京オリンピック(五輪)大会組織委員会は1日、聖火リレールートとランナー募集概要、公式ユニホームを発表した。

全国1741市区町村のうち、約49%となる857自治体を121日間で回る。普段は火を持って入れない寺社仏閣などに聖火が入るなど、五輪ならではの演出も検討されている。ランナー応募期間は17日から8月31日。約1万人のランナーのうち自治体枠の半数以上、スポンサー枠の7、8割が公募となる見込みだ。

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聖火リレーアンバサダーの女優石原さとみ、お笑いコンビのサンドウィッチマンらが、赤いタスキ模様の公式ユニホームを着て、都内の記念イベントを盛り上げた。来年3月26日、福島・Jヴィレッジでスタートする聖火リレーは移動日を除いた114日間、約200メートルずつを約1万人のランナーが走り、47都道府県を回る。

組織委関係者によると普段、火気厳禁な歴史的建造物の中に聖火ランナーが入ることも検討されている。聖火リレーでなければなかなかできない試み。美しい日本の風景を聖火とマッチングさせ世界に配信する、前代未聞の試みだ。

車や電車などの交通手段で1時間以内にリレー実施自治体に行ける「人口カバー率」は98%となった。具体的な道路、道順は年末までに決まる。

ランナー募集は聖火リレースポンサーの日本コカ・コーラが17日、トヨタ、日本生命、NTTが24日、47都道府県は7月1日から始める。締め切りは、いずれも8月31日。最大で5回応募できるが、複数の自治体には応募できない。当落通知は年内に完了する。

1日に走れる人数は都道府県枠が22人、スポンサー枠などが60人程度で計80人ほど。大会関係者によると、自治体には最低でも過半数を公募にしてほしいと依頼した(残りは推薦枠)。一方、同スポンサーは8割程度公募にしたいという会社もあるといい、関係者は「開かれた聖火リレーにしたい」と話した。

ただ、国際オリンピック委員会(IOC)の推薦枠や、大会自体の75社のスポンサーに設けている枠もあり、これを除くと、一般ランナーにとって狭き門であることは間違いない。

聖火リレーは20年7月24日午後、都庁で東京のゴールを迎える。そこから先は開会式の演出と連動し、最後は新国立競技場の聖火台にともされる。【三須一紀】