柔道の世界選手権(25日開幕、日本武道館)女子代表の強化合宿が8日、東京都北区の味の素ナショナルトレーニングセンターで公開された。

52キロ級代表で5月に右脚を痛めた志々目愛(25=了徳寺大職)は、3度目の大舞台へ決意を示した。

志々目は他選手とともに乱取りや寝技稽古に励み、順調な回復を見せた。「6~7割程度は戻った。(大会で)けがをする前の100%は無理だと思うけど、今の状態の100%で戦えるように準備したい」と、2年ぶりの世界女王奪還へ静かに闘志を燃やした。5月の国際大会で右脚を負傷。医師と相談の上、手術を回避した。リハビリを経て、先月末から乱取りを始めるなど急ピッチで仕上げている。「世界選手権に出ることが、来年の東京五輪につながる。絶対に間に合わせるという気持ち。ただ、出るのが目的ではなく、勝たないといけない」。順当に進めば、準々決勝で16年リオデジャネイロ五輪金メダルのケルメンディ(コソボ)、準決勝で18年世界女王の阿部詩(19=日体大)と対戦する可能性がある。けがも組み合わせも「すべて経験」と前を向く。

女子代表の増地克之監督(48)は志々目について「驚異的な治り。徐々に調子も上がっているし、彼女の経験や取り組んでいる姿勢を見ると、世界の舞台でまた輝いてくれるのではないかと信じている」と話した。

強化合宿で選手たちは、海外勢や指導2に追い込まれた状況を想定した稽古などを反復した。阿部と57キロ級世界女王の芳田司(23=コマツ)が組み合い“世界女王対決”を行うなど試合のような緊張感が漂っていた。