全国高校バスケットボール選手権(23日開幕=東京)で、男子の開志国際(新潟)は初優勝を狙う。主将2人制度を敷くチームは、全国高校総体(インターハイ)で4強入り。PG高木拓海(3年)とPF板沢明日起(同)の2人の主将が、両輪になって勝利へ突っ走る。25日の初戦2回戦の相手は福岡大大濠と海部(徳島)の勝者だ。

高木と板沢の2人の関係は表裏一体だ。高木がPGとして先頭になってボールを運び、開志国際の戦術を表現。PF板沢はリバウンド、ルーズボールなど数字に表れにくいプレーでチームを支える。富樫英樹監督(57)は「責任を2人で負うと自覚、自主性が出てくる」と言う。陰と日なたになって主将2人が勝利へチームを引っ張る。

「チームの柱という感じ」と板沢は高木を評する。高木は「人の嫌がることを率先してやる。見習いたい」と板沢を認めていた。チームに足りないものを相談し合い、富樫監督に練習メニューを進言することもある。主将2人制を敷いたのは昨年から。富樫監督が日本代表PGの長男勇樹(26=B1千葉ジェッツ)から代表のチーム体制を聞いて取り入れた。「いつも2人で話し合っている」と指揮官は効果に満足そう。選手たちで考え、問題解決する力がコートに表れ、チームのパワーになっている。

昨年はインターハイで全国優勝しながら、初出場のウインター杯は3回戦止まり。インターハイで4強入りした今年は初戦から気を引き締める。というのも初戦2回戦で夏4度、冬1度の優勝経験がある福岡大大濠と対戦する確率が高いからだ。しかし高木は強敵との対戦を歓迎した。「組み合わせが決定する前から、強い相手とやるだろうと考えていた。ラッキーだと思う」。目標の高校日本一へ勢いをつけるにはうってつけの相手と定めていた。

14、15日は東京に遠征して東洋大、拓大と練習試合をした。大学生の胸を借り、大会前の総仕上げを終えた。学校で最終調整して東京に乗り込むのは今日23日。富樫監督は「決勝進出までは必須条件」と2人主将制で臨む大会に自信を持っていた。【涌井幹雄】

◆高木拓海(たかぎ・たくみ)2001年(平13)7月4日生まれ、福島県出身。福島・会津若松四中出身。ポジションはPG。175センチ、70キロ。血液型B。

◆板沢明日起(いたざわ・あすき)2001年(平13)4月20日生まれ、富山県出身。富山・東部中出身。ポジションはPF。183センチ、75キロ。血液型B。