Bブロックで日大が開幕から連敗を喫し、2年連続関東制覇を逃した。前半は10-10の同点に追いつき、後半早々にFGで勝ち越しも、すぐさま中大に逆転TDパスを奪われた。ここからミスを連発し、78ヤードのファンブルリターンなど3TDを許した。13-38の完敗で、中大には5年ぶりの黒星で通算5敗目(18勝)。リーグ戦2試合を残し、東西大学王座決定戦の甲子園ボウル出場、大学日本一奪回の目標はついえた。

第2Qに2試合連続で先発したQB金沢からWR小林へのパスで、同点となる44ヤードのTDパスを決めた。第2節から2年ぶりで有観客となり、1年コンビの活躍にスタンドは拍手にわいた。しかし、TDはこの1本だけで、スタンドは静まり返っていた。

中大DLのぶ厚い壁と圧力の前に、日本一への道を閉ざされた。自慢のランは46ヤードに抑えられた。パスは中大を上回ったが、QBサックを浴びること4回。さらにファンブルロストも3回喫し、リターンTDを含めていずれもTDまで持っていかれた。自滅だった。

9月に就任した平本恵也ヘッドコーチ(HC)の初勝利もお預けとなった。「自分たちの取り組みの甘さが出た。全力を尽くす、力を出させることができなかった。こういう結果で申し訳ない」とうつむいた。

有観客試合とあって、スタンドには8月まで指導していた橋詰前監督と、昨季のエースQBだった林前コーチの姿もあった。開幕戦で法大に逆転負けから、立ち直った姿を見せることはできなかった。

平本HCは富士通で仕事をしながらの指導も「毎日練習に行っている」というが、就任2カ月にも満たない。「最後まで目の前の一戦、1プレーに集中していく。日大はフットボール界を引っ張る立場にある。高校生があこがれるチームにしていかないといけない」。自らに言い聞かせるように話した。