22年北京五輪(オリンピック)団体銅メダル、個人5位の樋口新葉(22=ノエビア)が今季の初SPで75・13点をマークした。

昨季は10月以降の試合を全休し、今年7月のアクアカップで288日ぶりの実戦復帰。同大会はフリーのみの出場で、この日がSPは初戦となった。

冒頭のダブルアクセル(2回転半)、ルッツ-トーループの連続3回転と決め、「先週くらいから曲がっているのが気になっていた」という後半の3回転フリップも軸が傾きながらも踏ん張った。

SPは昨季からの継続となる「Never Tear Us Apart」で、「最初から最後まで気を張って滑るイメージが自分の中ではある。本当に強い表現を最初から最後まで途切れないように意識している」という。意志を感じさせる眼光鋭い表情も印象的だが、この日は「ジャンプが跳べてうれしかったり、ステップでもバランス崩しそうになったりする部分が、ちょっとなんか楽しいとか、面白いなって」とほほ笑む場面もあった。

演技中の写真をのぞき込んで、「こんな顔、見た事無いな」と本人も驚くが、休養を挟んだいまは、新しさが目指す演技でもある。「自分の中で、前に戻すという感覚よりかは、全く別の感覚で。新しいものを作っていけたら」と志す。

4月1日から本格的に練習を再開し、「9月にいかない時期に3-3も何本も降りてて、いつもより良い感じ」と自信もつかんでいる。高得点には「びっくりしました! こんなに出るとは」と笑顔も、同時に「もうちょっと改善できる部分がある。グランプリシリーズだったりとか、海外の試合に出たときにどういう評価をもらえるかを考えながら練習したい」と国際試合も視野に入れていた。