全国大学ラグビー選手権で初優勝を狙う天理大が10日、明大との決勝(12日、東京・秩父宮)に向けて奈良・天理市内で調整した。

試合2日前のメンバー発表により、NO8ファウルア・マキシ(4年)ら日本航空石川出身のトンガ人留学生3人が先発。兄貴分のマキシは「ブレークダウン(ボール争奪戦)で、いつも通り激しくプレッシャーをかけたい」と力を込めた。 今季から外国人留学生3人の同時起用が可能となり、日本語が堪能な男たちが躍進を支える。日本航空石川が花園出場時に天理大で練習していた縁で、08年度に留学生第1号のシアオシ・ナイさん(29=現同校コーチ)らが入学してきた。明大戦で控えのNO8ジョネ・ケレビこそフィジーから来日1年目だが、自ら売り込んで天理大に入った兄ジョシュア(現秋田)の背中を追ってきた。小松監督は「トンガやフィジーに(留学生を)探しに行ったことはない。うちに特別扱いはないし、助っ人ではなく仲間」と思いを口にする。 12年秋からは全寮制となり、同じ釜の飯を食べて成長してきた。寮ではマキシらと映画を見ることが多い2年生CTBフィフィタは「石川にいるときから、僕もレベルの高い天理に入って日本一になりたかった」。1年生ロックのモアラ(1年)も“石川トリオ”の一員として決戦に向かう。 午後7時を回り、肌寒い練習場でマキシは言った。「ナイさんたちから続く今までの先輩たちの分も背負って、優勝したい。今年は本当にチャンスだと思う」。3連覇した同大以来、関西勢34大会ぶりの日本一は、絆でつかむ。【松本航】