ラグビー日本代表(世界ランキング9位)のジェイミー・ジョセフ・ヘッドコーチ(49、HC)は26日、静岡市内で会見し、同2位アイルランドとのW杯1次リーグ第2戦(28日、エコパスタジアム)の登録メンバー23人を発表した。

大黒柱のフランカー、リーチ・マイケル主将(30=東芝)を控えに据え、試合終盤の切り札に指名。チーム最多71キャップを誇るSH田中史朗(34=キヤノン)も後半からの投入を示唆するなど、ベテランの経験を生かした終盤勝負で、歴史的番狂わせを狙う。

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ジョセフHCが読み上げた先発15人の中に、リーチの名前はなかった。報道陣から起用法について問われた指揮官は、表情を引き締め、意図を説明した。「我々が成功するためには、経験値が高く、試合途中でインパクトを与えられる選手が必要だ」。リーチは3月に恥骨を負傷し、実戦復帰したのは7月。ロシアとの開幕戦でもタックル回数は先発FW最少の5回と絶好調でないことも事実。それでも、再びけがの影響を問われると「NO!」と言葉に力を込めて続けた。

「ロシア戦では、試合が乱れた時に、田中とトンプソンが入ってチームを落ち着かせた。競った試合で勝つためには、最後の5分、10分のリーダーシップが必要だ。そういう場面で、彼はインパクトを与えてくれるだろう」

しのいで、しのいで、終盤勝負-。W杯開幕時に世界ランキング1位に君臨した優勝候補を破るには、相手を慌てさせる展開に持ち込むしかない。リーチに変わってFW第3列の先発に指名したのは姫野、ラブスカフニ、マフィの3人。姫野は世界に通用する高い突破力と献身的なプレーでチームをけん引し、ラブスカフニも開幕戦で攻守にインパクトを残した。世界屈指の突破力を誇るマフィも右肩のけがが完治し、この試合で戦列に復帰と、層の厚さもリーチをベンチに置く作戦を可能にした。

リーダー不在にも、ピッチに立つ選手に不安の色はない。CTB中村は「リーチさんがいないことで『自分が』という責任感も出てくる」と前向きに捉え、勝利の鍵が前半の戦い方にあると指摘。「リードする展開にもっていきたい。相手はデータ的にも後半の失点が多い。プレッシャーをかけ続け、離されないように、我慢して戦っていきたい」と狙いを明かした。

歴史的勝利を果たした先には、目標に掲げる史上初の8強がぐっと近づく。「アイルランドは世界で一番。だからといって個々の選手にフォーカスするのでなく、自分たちに向けている」と指揮官。23人の力を結集し、歓喜の番狂わせをたぐり寄せる。【奥山将志】