【第44回】
朝の光を浴び体内時計を整えよう
睡眠障害(2)
千葉県に住む中学1年生のM子さんは、この春、都内の私立中学に合格した。学校までは片道1時間20分かかるが、朝はまだ暗い5時半に起き、駅まで10分自転車に乗り、JRと私鉄を乗り継いで学校に通っている。
放課後は、週3日はテニス部の部活動をし、部活動のない日は英語塾に寄って帰宅するというハードな日課をこなす。学校の予習復習も欠かさないので、毎晩ベッドに入るのは12時を回ってしまう。最近、なかなか寝つけない上に、よく寝た感じがしないし、疲れた感じがなかなか治らない。日曜日になると1週間分とばかりに、お昼まで「寝だめ」をしないと体が持たないという。
睡眠障害に詳しい熊本大発生医学センターの粂和彦医師は「人の体には24時間の時を刻む体内時計があります。あまりにも忙しいスケジュールで、疲労がたまったり、体内時計がずれて睡眠のリズムが乱れてしまうのは危険なことです」と指摘する。
体内時計がずれると、昼夜が逆転し学校にも行けない状態となりかねない。思春期の子どもたちが、夜型の悪循環を断ち切るために、粂医師は、週末などに体内時計のリセットを試みるシンプルな方法をときどき行うように勧めている。
★体内時計のリセット方法
1日目朝 6時半ごろに起きて太陽を浴びる。平日の睡眠時間が足りない分を補いたい場合は、お昼から午後の早い時間に、短時間昼寝をして、その後は寝ない。
2日目朝 6時半ごろに起きて太陽を浴びる。
この方法で体内時計をリセットする。その後も再び悪循環に陥らないように、毎朝、光を浴びることは続ける。週末に寝坊することはかえって睡眠のリズムを乱れさせるので避けた方が良い。
【ジャーナリスト 月崎時央】
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